2012年頃にかわいいイラストが描けるようになりたい!!と思い立って始めた、商用無料で使える手書きイラスト素材サイト『ぷちペイント』を2019年5月末をもってクローズすることにしました。
そこで公開していた作品を手直しし、新たにAdobe Stockに登録し直しすので、有料にはなりますが、今後はこちらをご利用いただければと思います。
今までご利用いただいた皆様、キュレーションサイトなどでご紹介くださった皆様、どうもありがとうございました!
姪っ子&甥っ子たちのためにかわいい絵が描けるようになりたい!という動機から始めた素材サイトでしたが、ユーザーさんからリンク切れをお知らせいただいたり、思いがけず励ましのメッセージをいただいたり。データの作り方を含め、私自身とても勉強になる活動でした。
今後はAdobe Stockにて、クリエイターさん向けの素材を提供していければと思っています。
—— ✂ ここからは思い出メモ ——
サイトをはじめたきっかけ
デザイナーを名乗り始めて間もない頃、お仕事絡みで、お子さんと遊ぶ機会がありました。5歳くらいのお子さんと一緒にお絵かきをしたのですが、そこで「こども向けのかわいらしいイラストを描く能力」が皆無であることに気付いた私は、こんなちょっとした絵も描けないなんてデザイナーの名が廃る!!と考え、お絵かき練習を始めることにしました。
ちょうど姪たちが生まれた頃でもあったので、姪たちがモノゴコロついた時に、デザイナーのおばの絵がど下手くそなんて夢もへったくれもねぇな!!と思ったのも理由のひとつです。
また、仕事でホワイトボードを使う機会も多く、要所要所でちょっとした人の絵やアイコンが描けないのも、学歴コンプレックス(※美大出てない)に拍車をかける要因になっていたので、そのあたりも克服できればいいな。なんて考えていました。
今でこそ山のようにあるFreebie素材サイトですが、当時はかのシルエットデザインさんですらリリースしたての時期。みんな大好きイラストやさんですら、存在していなかった、そんな時代のお話です。
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なぜ「商用無料」素材にしたのか
前述の通り、時代的に国内には商用利用OKの無料素材というのがほとんど存在していませんでした。
しかし、海外サイトを見ると「本人の練習のため」に作られたクオリティの高いイラストやmockが素材がゴロゴロ転がっています。
駆け出しデザイナーだった私は、そういった素材をダウンロードしては分解して、どんな構造になっているのか、どう描いたらそう描けるのかをたくさん勉強させていただきました。そういった経験から、後続のデザイナーさんたちに向けて恩送りの意味も込めて作ったのがぷちペイントでした。
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なぜ「手書き」素材にしたのか
アイデアを出すときには、何事も一石二鳥を求める性分のわたくし。
① 発端がそこそこのイラストを「描ける」ようになること だった
それならば、そこで描いたものを極力そのままの形で素材として提供したい、と考えたのがひとつ。
時代的には
② 便利なペンタブレットが続々登場していた(ので使ってみたかった)
という経緯もありました。
また、デザイナー業務の中でワイヤーフレームを引くこともあったのですが、ドラフトって、あんまりしっかり作ってしまうと「最終形」に見えてしまうという問題があったんですよね。なので、
③「まだ途中感」を出すためには手書き風のイラストが実用的
なんじゃないかとも考えました。
更に、マーケティング目線でいうと、パスで書かれたキレイなアイコンは1・2年もすれば飽和する(つまりあとは数字合戦になってしまう)が、
④ 手書きは何年経っても飽和しない、息の長い市場
なのではと推測しました。
こういった諸々の思惑があって、扱う商材は手書きにしようと決めました。
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苦労話
最初はどうやったら素材が配布できるのかすら少しもわからないところからのスタート。
お絵かきができないだけでなく、WEB制作スキルもまるでなかった私が、素材も作ってサイトも作って更新もして、マーケティングまでやろうなんて、今考えても無謀すぎです(笑)
でも、なぜだかやろうと思ってしまったのだから仕方ありません。
時代の変化や新しい技術の到来によって少しずつやり方や、やれることにも変化が生まれました。
▼ 以下、5,6年の運用で得られたもの
素材づくりスキル
普段はIllustratorやPhotoshop上のパスでUIパーツを制作していた私は、手で描くということがわかりませんでした。最初は紙に書いた絵をスキャンしてみたり、ペンタブレットをつかったり、直近ではiPadとApple Pencilを使用したり。
サイトづくりスキル
一番最初はゼロからサイトを立ち上げてみようと色々調べたり、それだと時間がかかりすぎると思ってはてなブログをカスタマイズしてみたり。最終的にはWordpressのテーマをカスタマイズしたり。会社で大嫌いな(笑)コーディングをやる必要が出てきたときも、このサイトがあったからこそいやいやながらも積極的に予習復習できた、と感じています。
運用・マーケティングスキル
実際のところ、ここはそこまで力を入れてやったわけではないのですが、それなりにSEOの知識を取り入れたり、告知をしたり、アンケートツールを使ってみたりと気ままにあれこれ試行錯誤できる場があったのはとてもよかったなと思っています。
収益化
GoogleAdSenseを取り入れ始めたのは確か2015年頃だったでしょうか。
広告収入で稼ぐ、というビジネスモデルに早々にトライできたのも経験としてよかったですし、何よりも「月々のAdobe CC代をイラストで稼ごう!」というモチベーションで取り組めたのが、私にとってよい原動力になりました。
以上、思い出メモ終わり
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クローズの理由
① 当初の目標が達成できた
クローズの理由は色々ありますが、当初の「ちょっとしたイラストが描けるようになりたい!」という目標が達成できた、というのが大きいです。
もちろん、まだまだまだまだ成長の余地は死ぬほどありますが、最低ラインは超えたかなと。だってですよ?おかげさまで私、今では小学生になった姪っ子に「Kaiはかぞく(一族)の中でいちばんおえかきがじょうず!」って褒められるまでになったのです(*´艸`*)
そんなわけで、最近はそこ(お絵かき練習)にガッツリ時間をかける必要がなくなってきました。そうすると、更新そのものが減っちゃうんですよね。更新性のない素材サイトほどつまらないものはありません。そうやってサイトを寝かせとくくらいなら…と思っての判断でした。
② 時代の変化で前提要素が変化した
当時は紙に鉛筆で描いたものをスキャンして…みたいな苦労をして提供していた素材たちですが、今ではもっと簡単に手軽に素材作成が可能になりました。そのおかげで、高クオリティな素材たちが世の中に溢れています。
そんなわけで、私が提供するレベルのものを作るのは今の時代性的にはナンセンスかなと感じています。
逆に、Adobe Stockで購入されるようなものを目指していくと、素材のクオリティも上がります。次の照準はそこに当てた方が、私の成長にも繋がり楽しいかなと考えた次第です。
③ 運用やマーケティングに手をかけるつもりがないのなら、プラットフォームに依存したほうが良いなと思った
タイトルの通りで、このサイトを通じて実感したのは、ゼロベースのサイトに人を集めるのは大変なんだな。ということ。
それでも当初想定していたよりは閲覧数があったし、きちんと運用している時には月々のAdobe CC代を支払えるくらいの収益が出るとわかったのはよい成功体験でした。
ただ、運用には手をかけ続けなければならない。そこに割く時間を、今は他に充てたいなと考え、Adobe Stockというプラットフォームに依存することにしました。
お礼
末筆ながら、今までご利用くださったみなさま、アンケートに答えてくださったみなさま、LINEスタンプをご購入くださったみなさまにお礼を言わせてください。
私を成長させてくださってどうもありがとうございました!!
このサイトを通して、あそび屋Kaiは姪たちに褒められるくらいお絵かきが上達し、苦手なコーディングが少しはできるようになり、また様々な「実験」をしながらサイトを運用のノウハウを学ぶことができました。
時にはサイトが落ち、サーバーがダウンし、リンクを貼り間違え…と色々とご不便もおかけしてしまいましたが、暖かく見守ってくださった皆様のおかげで運営してこれました。
おかげさまで楽しみながらお絵かき練習することができましたし、私の「お絵かき苦手」意識はかなり軽減しました。
今後もお絵かきがしたくなったときには、または私が使うために作った素材をシェアしたくなった時にはAdobe Stockに公開していこうと思います。
最後に
なんだか思ったより長くなっちゃいました(笑)
気まぐれに始めて、更新したりしなかったりしてきたサイトでしたが、ちょっとご挨拶をしようとしただけで文字量が4000文字に迫るくらいには、思い入れが強かったようです。
それではみなさま。今後もどうぞKaiの活動をぬるーく見守ってください♪
P.S もしももしももしも、このサイトのご利用者さまがこの記事をお目に留めてくださり、更にコメントなんかを残していただけた日には、多分私、泣きます(笑)気が向いたらぜひ一言残していってくださいな。