皆さんは考えることと悩むことの違いについて考えたことがありますか??
デザインコンサルティング時代、アイデア出しのために朝から晩まで知恵熱が出るほど思考し続け、鼻から脳みそが出てくるんじゃないかと本気で不安に思った過去がある遊び人クリエイタ―Kaiです。
今回は、悩める子羊がスランプから脱するためのエントリーです。長いです。
Kai
目次
「考えること」と「悩むこと」の違いって?
私は以下のように考えています。
「考える」とは
向かうべき方向がわかっていて思考し続けられること。 そしてその結果、なにかしらの結論までたどり着ける状態
一方で、「悩む」とは
「考え」ている最中に進むべき方向が不明確になり、 結論にたどり着く手前で「思考停止」に陥っている状態
こう考えてみると、両者の差は明白ですね。
どんな時に人は悩むのか?
では、人はどんな時に「悩む」のでしょうか?
私が観察する限りでは、人は次のようなケースで悩みやすい傾向にあるように見えます。
- 考えようとしている事柄の判断基準が不明確で
- 不確定要素が多い!
ケース別対処法
たとえば、こんなケースについて考えてみましょう。
ケース1 : 決定権は自分にあるが、悩んでいる事柄が不明瞭な場合。
村人A
この例の問題は、「悩んでいる本人すらも、悩みの原因がわかっていない」という点です。 解消するためには、どうなれば「最高」でどうなると「最低」なのか、というビジョンを描くことが有効です。
- 今の職場の「何」が「どう」自分に合っていないのかを明確にすること。
- そもそも「自分に合っている」というのはどういった状況を指すのかを考えること。
- 新しく向かうべき業界はどの分野で、何歳が主流で、何歳だと難しいのか。
- 年齢層が大きく異なる場合、それを覆してアピールできるポイントはどこか。
- いつまでに転職したいと考えているのか。それまでに必要な経験は何か。
必要な情報をリサーチしよう。
ケース2 : 最終決定権が自分になく、相手に聞くことでしか結論が出せない状況
村人B
最終目標が「相手から良い返事をもらうこと」である以上、答えは相手に聞くしかありません。
相手の情報が入手しやすく、顔を合わせる機会も多いのであれば、良い返事をもらうための努力をすることは出来るかもしれません。
反対に、相手の情報がまったくなく、顔を合わせる機会も殆ど無いのであれば、「単純接触効果」を期待して、相手の記憶の新しいうちにアプローチを済ませてしまったほうが、良い結果に繋がるかもしれません。
しかしどちらの場合においても「最終的には相手の心ひとつ」ということに違いはありません。(ちなみに、告白しない場合の勝率はゼロ%ですが、告白した場合、勝率はいくばくか上がるようです。)
デザインの仕事を受ける上でもこういったケースは非常に多く、相手の好みがわからないうちは、どんなに検討を重ねても徒労に終わる可能性が高くなります。そのため、早い段階で相手がどんなデザインを期待しているのかを割り出すため、始めてすぐの段階で複数のパターン提示をするのが正解です。※これについては、また別のエントリで。
ケース3 : 自分に判断権がなく、かつ考える対象が曖昧な場合
村人C
ここ数年ではわりと、ありがちな話ではないでしょうか。
私はココナラというサイトでアイデア出しの依頼を受けているのですが、この手の依頼は一切お断りしています。
理由は、テーマがあまりにも漠然としているため、コミュニケーションコストがかかりすぎるからです。
たとえばこのケースでは「イノベーションの定義」から確認する必要があります。
これが下記のような提示内容であれば、話は別でしょう。
村人C
ここまで絞られてくれば、過去のアプリを分析した上で、今までに焦点を当ててこなかったようなジャンルの提案をしたり、ユーザー層を変化させたゲームアプリの提案を思いつくことが出来るでしょう。
あまりにも漠然とした問いかけでは、人は思考を続けることができなくなってしまうのです。
こういったケースでは、問題を飲み込めるサイズに噛み砕く必要があります。
現実的な解決策として、
- サンプルを提示して頂けませんか?
- どんな分野についてのイノベーションですか?
- 「イノベーション」という言葉の認識合わせから始めませんか?
などについて質問してみる。 あるいは、
- 100%主観によるアイデア出しを行なう
ケース4 : あまりにも前提がガチガチすぎて動かす余地のない場合
村人D
このサンプルだけ、過去に私が悩んだ実話です(笑)指定内容そのものがセンスのいいものなら良かったのですが… 冗長で堅苦しい文言、メインカラーは暗い青、フォント指定は明朝体、アンバランスなレイアウト指定。
最後に、取ってつけたように「ターゲットは若者です」の文言を見た時、私は恐怖しました。
さてどうしましょう。
「言われたままのモノ(しかもダサい)を提出するのは、デザイナーとして恥ずかしい…!」
そう思った私は、下記の3パターンのデザインを提出しました。
- A:言われたままのデザイン
- B:ちょっとだけルールを外したデザイン
- C: ルールは無視して「ターゲット若者」を全面的に押し出したデザイン
結果、こういった例のご多分に漏れず、B案が採用されました。 「本当はC案が良かったのですが、社内の政治的理由からB案になりました…」とのメッセージと共に。
終わりに
こう考えてみると、人は人の反応を気にするが故に悩むのだ、ともいえますね。
- なによりも「思考再開」するための環境づくりが先決。
- 悩んでいる対象の「問題」には、自己完結出来るものと出来ないものがあるのです。
- 自己完結出来る問題なのに「思考停止」に陥っている場合、掘り下げが足りない可能性が大!まずは言葉の定義からはじめてみましょう。
- それ以外場合の多くは「相手の反応がわからなくて」思考停止に陥っているのです。「一人で悩む」ことは諦めて「最終決定権を持つ人」に速やかに意向確認を。
Kai
※「考え方」のテーマは、主にこちらの遊び人ブログに掲載しています。