CHAMELEON DAYS -カメレオンデイズ-

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デザイナーは、イラストも描けて当たり前…?

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んなわけねーだろっ!!!

おっと。言葉が過ぎました。どうも、フリーランスクリエイターdoubleMです。

突然ですが、ワタクシ今日こそ不満を吐き出します。

デザイナーをしていると、当然のように「イラストや装飾画が描ける」と思われていることがあります。
これ、そろそろ、大きな誤解だということに気づいて欲しいんです。

イラストレーターは専門職。デザイン領域には(必ずしも)含まれない。

歯科医が外科手術はできないように、社会科の先生が英語の授業を持てないように、家電量販店の店員が壊れたTVを直せないように、

デザイナーが必ずしもイラストを描けるわけではありません!

ただし、一部の異能力者は除く

もちろん、デザイナーやイラストレーターというのは非常に似通った業界に属しています。

ですので、C+言語かつSwiftもわかるといったエンジニアさんのように、あるいは回復魔法も攻撃魔法も使える一流魔法使いのように、その分野に対する好奇心が非常に強くて才能豊かなごく一部の人が、稀に、偶然、運良く!複数の能力を有していることもあります。

まぁ、そういうことです。

冷静になりたまえ。イラストレーターにだって描けない絵はある。

デザイナーどころか、むしろ、イラストレーターにだって描けないタイプの絵はあります。
というか、語弊を恐れずに言うと「描けない絵」だらけなんじゃないでしょうか。

試しに、「イラスト かわいい」みたいなワードで、google検索をしてみて下さい。
思いがけない絵が画面いっぱいに広がることでしょう。

そう。イラストって、想像以上に千差万別なんですよ。
幼稚園向けのかわいいイラストから、アダルトなテイストの汁だくの絵まで、全部ひとくちに「イラスト かわいい」に集約されているわけです。

※このあたりの問題は、また別の記事で取り上げましょう。

おわかりでしょうか。イラストレーターさんはイラストレーターさんで「自分のテイスト」というものを持っています。逆に言うと、彼らは「それ(テイスト)以外」の絵は描けないんです。

例えば、美少女画専門のイラストレーターさんに、全然違うテイストの絵本向けイラストを描けというのは難しいでしょう。また、幼稚園向けイラストが描ける人だからといってソシャゲに登場するようなドラゴンの絵まで描けるとは思えません。※先程の話同様、複数のテイストを持つ異能力者は極稀に、存在しますが。

だからこそイラストを頼む際には、デザインに合うテイストを持つイラストレーターさんの選別と、イメージの明確化が非常に大事になってくるんですね。

プロフェッショナル舐めんな。

このように「イラストを描く」というのは、専門スキル

「プログラミングでどの言語を使用するのか」と同じくらい細分化された、特化型専門能力なのです。

それを、ちょっとジャンルが似て見えるというだけの一介のデザイナーに「簡単でいいから、ちょちょっと描いちゃってよ」なんていう愚かさを思い知りましたか? 世の中の依頼主たちよ。

共感してくださるデザイナーのみなさま。ぜひ「教育」にご協力を。

私は人一倍負けず嫌いでプライドが高いので、仕事で「これできる?」と言われたら「できない」とは言わない主義です。

ただし、イラスト作成に関しては少し話が異なります。

もちろん依頼だから受けますよ。

受けますが、「イラストを描くのはデザイナーの仕事ではない」という前提をきちんとお伝えすることにしています。

共感して下さる皆様。ぜひ、この考えの布教を、お願いいたします。

それでも、できないとは言わない理由

私がこういったモヤモヤを抱えつつも、イラスト作成を含むデザイン依頼を受ける理由は3つあります。

調整役をかって出ている

1つめは、調整コスト。

結局のところ、デザインテイストに合うイラストを私が描ければ問題は無いわけで、一応トライします。ただ、合わないもしくは描けないとなった場合は、イラストを外に依頼する、ないしはイラストを購入することになります。

そのやりとりの際に、間に余計な人を挟みたくない、という理由で、私がその調整役を引き受けているに過ぎません。

クオリティ管理責任を果たしている

2つめは、クオリティマネージメントのため。

前述の通り、イラストレーターさんは特化型専門職です。その分野においてはクライアントも私も素人。なんだったら、YOUが「ちょちょっと」描けばいいじゃん!とすら思います。

それでも、私がその言葉を飲み込んで依頼を受けるのは、デザイナーである私の方が、デザイナーではない上司やクライアントに比べて「まだ少しは」期待値が高いという考えには賛同できるから。

そう、素人同士のどんぐりの背比べながら、情けをかけているに過ぎないということをご理解いただきたい。

教育コストを省いている

3つめは、こういった諸々を理解させる教育コストが掛かりすぎるから。

適切なイラストレーターさんを探すには、それなりの「思想」と「目」が必要になってきます。
上記のような事柄を、依頼主が理解してくれたとしても、「方向性の決定」を行なったり、「識別眼をもつ」ためにはそれなりのセンスと時間、努力が必要です。

こういう場合はそういうものもひっくるめて、まとめてボヤッと「デザイン」とみなして、既に「方向性の決定」が可能で「目」を持っている私が依頼を引き受けます。

まとめ

ここでの私の主張は、「デザイナーにイラスト依頼をしてくんな」ということではありません。
できれば「両者の仕事は別物」と認識してほしいですが、そのあたりは混同も誤解もあるでしょう。いいんですよそれは、しょうがない。

むしろ、今回メッセージを送りたいのはデザイナーさんに対してです。

デザイナーさんへのメッセージ

どんなに当たり前のように要求されたとしても、「デザイナーはイラストが描けなきゃいけないんだ」なんて思わないで下さい。分野違いです。描けるに越したことはないでしょうが、必ずしも描ける必要はないのです。

堂々と「自分の仕事ではない」ことをお伝えしましょう。

そうすることによって、あなたの評価は維持され、中途半端なクオリティの作品を撲滅でき、世のイラストレーターさんもきちんと対価を得ることができます。

デザイナーさんへのお願い

むしろ、このようなケースで自信を失うのではなく、「デザイナーとイラストレーターは分野違いの専門職である」ことを広く布教して下さい。

その上で依頼を引き受け、「諸々を代行」して差し上げて下さい。

申し開き

この主張には、同業者の方でも賛否両論あるとは思います。
ご理解いただきたいのは、決して私が誰かを見下していたり、あるいはサボっているための考えではないということです。

どうせやるのならプロフェッショナルに」が信条の私としては、ヘタな誤解や摩擦を減らして、お互い気持ちよく仕事ができる業界が理想であると考えています。

そのため、それぞれがそれぞれの責務を果たし、きちんとした評価と、対価が得られるようになるといいなぁと願ってやみません(*'ー'*)

Designers ≠ Illustrators